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日韓新時代フォーラム2023年3月月例会

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관리자 2023-04-20 17:27

日韓新時代フォーラム2022年3月月例会

日時:2023.3.27(月) 18:30-20:20 

場所:東西大センタムキャンパス 地下1階 コンベンションホール

■タイトル : 3月月例会開催「『日韓2.0』と『日米韓2.0』-インド太平洋時代の戦略的協力-」

プログラム概要:- 夕食会(18:30-19:00)

                                        - 基調講演(19:10-20:20)     

                                          司会者:辛貞和(東西大学キャンパスアジア学科 教授/日本研究センター 所長)

                                          テーマ:「『日韓2.0』と『日米韓2.0』-インド太平洋時代の戦略的協力-」

                                           講演者:阪田恭代(神田外語大学グローバル・リベラルアーツ学部 教授)

                                           指定討論者:金珍基(釜慶大学日語日文学科 教授) (※ 日韓同時通訳にて進行)

■行事の写真:

■行事の要約:

韓日新時代フォーラム 3月月例会

「『日韓2.0』と『日米韓2.0-インド太平洋時代の戦略的協力-

   3月27日(月)、韓日新時代フォーラム3月月例会が開催され、神田外語大学グローバル・リベラルアーツ学部の阪田恭代教授による基調講演「『日韓2.0』と『日米韓2.0』-インド太平洋時代の戦略的協力-」が行われた。

 阪田教授はまず、3月16日、岸田首相と尹錫悦大統領の間で、12年ぶりに行われた日韓首脳会談と共同記者会見について、日本のメディア報道の映像を見ながら、日本側での反応を解説した。報道の中で日本の若者が「日本と仲良くしたいという韓国の大統領のメッセージを初めて聞いた」とコメントしたのに触れながら、戦略・安保協力と歴史問題・「心」の問題はセットで扱われるべきだとし、そのためにもまずはトップ同士の信頼回復が欠かせないと語った。

  その後本論に入り、「インド太平洋2.0」、「日米韓2.0」、そして「日韓2.0」という順で話を進めた。まず、日本を取り巻く戦略・安全保障環境は厳しく、「戦略的トリレンマ」にあると説明した。つまり、グローバルでは自由と民主主義をめぐるウクライナ戦争、地域では法の支配に基づく国際秩序をめぐるインド太平洋、そして、周辺・局地では米中戦略競争を巡る北東アジアの問題に対応しなければならないと語った。

 次に、「インド太平洋(IDP)」の戦略的展開について、安倍・トランプ時代の「IDP1.0」とバイデン政権下の「IDP2.0」との違いを説明した。つまり、前者は日米のFOIP(自由で開かれたインド太平洋)と日米印豪のQUADという枠組みで、対中戦略的な側面が強かったのに対し、後者はヨーロッパ各国やASEAN、そして、2022年にはカナダと韓国も加わり、経済安保やグローバルサウス等、より広範な問題を扱うようになっていると説明した。

 それから、2022年11月の東アジアサミットでのバイデン・岸田・尹会談で出された「インド太平洋における三か国パートナーシップに関するプノンペン声明」の内容を紹介しながら、2020年代以降の「日米韓2.0」の特徴を説明した。それは、包括的戦略的パートナーシップとして、軍事安保のみならず、経済安保、技術安保まで包括的に扱い、インド太平洋からウクライナまで、核問題、法の支配、海洋安全保障を見据えて戦略的に対応し、また、SDGsといった地球規模の課題にも取り組むものであると語った。

 

  最後に、小渕・金大中日韓共同宣言の「日韓1.0」に対し、岸田・尹時代の「日韓2.0」について、両首脳の言葉を紹介しながら説明した。それは、1998年の日韓共同宣言精神を発展的に継承し、先進国・対等なパートナーとして、過去・現在・未来を共有するものであり、インド太平洋時代のグローバルで包括的な協力であると語った。そして、これを両国関係の発展に繋げていくには、行動計画の策定とそのフォローアップが重要であると指摘し、講演を終えた。

  講演後の質疑応答では、日韓首脳会談に対する両国での評価の違い、中国が大国化する中で「インド太平洋2.0」という戦略が長期的に維持し得るのか等について、活発な議論が行われた。