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日韓新時代フォーラム2023年5月月例会

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관리자 2023-12-29 18:29

日韓新時代フォーラム 5月月例会

日時:2023.5.22(月) 18:30-20:30 

場所:東西大センタムキャンパス 地下1階 コンベンションホール

タイトル:5月月例会開催 「戦後日本の歴史認識 -日韓関係改善のなかで考える-」

プログラム概要:- 夕食会(18:30-19:00)

                                        - 基調講演(19:10-20:20)

                                        テーマ:「戦後日本の歴史認識 -日韓関係改善のなかで考える-」

                                        司会者:辛貞和(東西大学キャンパスアジア学科 教授/日本研究センター 所長)

                                        講演者:細谷雄一(慶應義塾大学 法学部 教授)

                                        指定討論者:玄大松(韓国海洋水産開発院 グローバル海洋アカデミー 学長)

                                              尹錫貞(国立外交院 日本研究センター 研究教授)

■行事の写真:

■行事の要約:

日韓新時代フォーラム 5月月例会

「戦後日本の歴史認識 -日韓関係改善のなかで考える-

5月22日(月)、韓日新時代フォーラム5月月例会が開催され、慶應義塾大学法学部の細谷雄一教授による基調講演「戦後日本の歴史認識 -日韓関係改善のなかで考える-」が行われた。今回の月例会は、細谷教授の共著『戦後日本の歴史認識』韓国語翻訳版(東西大日本研究センター訳)の出版記念講演会という形で開催された。

 まず、細谷教授は同書の「はじめに」に記した「現在の東アジアでは、歴史認識そのものが国際政治の歴史を大きく変えてしまうことがある。すなわち、歴史が歴史認識を創るだけではなく、歴史認識が歴史を創ってしまうこともあるのだ」という言葉を引用し、歴史認識の重要性について強調した。

次に、戦前の日本は1930年代以降、大変な犠牲を払いながら、正当な権利を受けられない「不満足な勝者」であったとし、その歴史認識は完全な勝者のように寛大にはなり得なかったと述べた。そして、現在の韓国、中国、ロシアもそれぞれの事情において、完全な勝者であるアメリカと異なり、日本に対して寛大な勝者でいることは難しいとしながらも、不完全な勝者としてとどまらず、好循環を起こし得る本当の勝者を目指すべきであろうと語った。

また、戦前の日本外交の失敗は国際社会との齟齬に根ざしており、それは平和主義に背いて軍国主義の道を歩んだことよりもさらに致命的であったとし、よって、国際主義の回復が戦後日本の大きな目的でなければならないと述べた。国際秩序への挑戦者となってしまった過去を胸に刻み、「積極的平和主義」を掲げ、世界の平和と繁栄に貢献するとした、2015年8月の安倍談話にも、このような考えが強く反映されていると語った。

そして、日本の戦後史について、日本を世界から切り離し、あまりに狭く閉じられた空間で論じられてきたと述べた。戦後の日本の歩みを深く理解するためには、イデオロギーの束縛(反米史観と陰謀史観)、時間の束縛(「1945年」そして「戦後」からの解放)、空間の束縛(「世界」の存在しない日本史)から、戦後史を解放しなければならないと語った。

最後に、改善に向かいつつも、歴史問題がいつ再燃するかわからないという不安定な日韓関係について、これまでの日韓関係の歩みは両国がともに作り上げてきたものだということを、韓国国民に対して粘り強く知らせていくことが必要だと語った。どうしても自分のやっている努力は大きく見えてしまうため、自分は二倍謙虚になり、相手に対しては二倍寛容になるという姿勢で臨むことによって、様々なヒントが見えてくるであろうと述べ、講演を終えた。

講演後の質疑応答では、パワーバランスとともに変化する過去の植民地支配への対応の世界史的な動き、世界でも最も危険な地域に位置する日韓両国の安全保障協力などについて、活発な議論が行われた。