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日韓新時代フォーラム2022年2月月例会

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관리자 2022-04-26 10:30

韓日新時代フォーラム2022年2月月例会

■日時:2022年 2月 28日(月)  19:00-20:20
■開催方法:Zoomミーティングによるオンライン開催

■プログラム
 基調講演:「日韓関係の現在と未来」
 司  会:張 済国(東西大学総長)

 講  演:李 元徳(国民大学グローバル人文地域学部日本学科教授)

 指定討論:辛 貞和(東西大学日本研究センター所長/キャンパスアジア学科教授)


■行事の写真
■行事の要約
韓日新時代フォーラム 2月月例会

李元徳(国民大学校日本学科教授)「日韓関係の現在と未来」

 2月28日(月)、韓日新時代フォーラム2月月例会が開催され、国民大学校日本学科の李元徳教授によるオンライン基調講演「日韓関係の現在と未来が行われた。

 李元徳教授は先ず、日韓関係の現状について、2012年以降、長期的・構造的悪化に陥っており、対立が歴史問題から政治、経済、安保分野へ拡大していると分析した。加害-被害関係の逆転現象、外交問題と国内政治の連動も起きており、コロナによる人的往来や交流の中断が、両国間の葛藤をさらに深化・拡大させていると語った。

 日韓関係悪化の構造的背景には、米中の覇権競争による東北アジア国際秩序の転換(Power Transition)に対する日韓の対応の差があると述べた。他にも垂直的関係から水平的関係へと転換した日韓関係(両国のGDPは1965年の1対30から、2020年には1対3に)、政財界エリート間ネットワークの質的変化、経済の相互依存の低下等についても言及し、説明した。

 そして、日韓関係悪化の要因としては、相互認識における誤解・偏見・無知の極大化、リーダーシップ問題(10年間の首脳会談断絶)、国家アイデンティティの衝突等を挙げた。また、外交における戦略的認識にも日韓の間には違いがあるとし、韓国は朝鮮半島和平プロセスを取る中で日本を軽視しており、一方の日本はインド太平洋戦略を重視する中で韓国を曖昧な存在として認識していると説明した。

 それでも、韓国にとって対日外交は重要であるとし、その理由として、日韓関係が対米同盟の隠れたコードである点、対米・対中・対北外交においても東京軸が重要である点、基本的価値規範と社会・経済的課題、そして戦略的利益を共有している点を挙げた。

 日韓関係改善に向けては、徴用工問題が喫緊の課題であるとし、代位弁済・司法的解決・政治的決断という3つの解決策について解説した。そして、司法判決と政府の外交権の関係(外交ガバナンス)をいかに整理していくべきかが課題であると述べた。

 また、バイデン政権の日韓関係改善要求、文在寅政権の対日外交の変化、岸田内閣の発足について言及しながら、日韓関係改善のための国内外の環境は好転しているとの見方を示した。その一方、関係改善の機会は韓国の次期政権発足以降になるであろうと語った。

 最後に、21世紀の日韓未来ビジョンとして、覇権競争を展開する米中の間で戦略的利益を共有すること、歴史問題を克服し、共生・協力のパートナーシップを構築すること、朝鮮半島、東アジア、グローバル領域の協力を追求すること、政治経済、安保、環境、サプライチェーン、技術、知識、文化等、全領域での協力を追求することが求められると述べ、講演を締めくくった。

 講演後の討論では、両国政府の政策決定に影響を及ぼす国民レベルでの相互不信をいかに解消していくべきか、独仏の和平プロセスの教訓から日韓が何を学ぶべきか、歴史問題の外交争点化を防ぎ、日韓の学者が国家利益・民族主義から抜け出せるかといった点について、議論がなされた。