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日韓国際セミナー「米国の対外政策と日韓の対応」

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관리자 2025-04-17 16:47

日韓国際セミナー「米国の対外政策と日韓の対応」

日韓国際セミナー

「米国の対外政策と日韓の対応」

日時:2025.3.28.(金) 14:00-17:30

場所:東西大センタムキャンパス 地下1階 コンベンションホール

プログラム:

14:00-15:40 第1セッション「トランプ政府の対外政策と国際秩序」

           司会:金義英(ソウル大 教授)

           発表:金東洙(釜慶大 教授)

                   「トランプ2.0時代新国際秩序と朝鮮半島」

                 伊藤弘太郎(キヤノングローバル戦略研究所 主任研究員)

                 「第2次トランプ政権発足と日韓安全保障関係」

           討論:林錫俊(東亜大 教授)、車昌勳(釜山大 教授)、崔雅進(延世大 教授)

15:40-15:50 コーヒーブレイク

15:50-17:30 第2セッション「激化する米中対立と日韓」

           司会:辛貞和(東西大 日本研究センター所長)

           発表:尹錫貞(国立外交院 研究教授)

                      「戦後国際秩序の歴史的起源をめぐる米中競争と日本:

                          サンフランシスコ体制vsポツダム体制、そして日韓関係」

                        簑原俊洋(神戸大 教授)

                      「米国の対外政策と日韓の対応」

           討論:金崇培(釜慶大 教授)、李起完(昌原大 教授)、李奇泰(世宗研究所 研究委員)

■行事の写真:

日韓国際セミナー

「米国の対外政策と日韓の対応」

 2025年3月28日(金)、東西大学センタムキャンパスにて「米国の対外政策と日韓の対応」をテーマに日韓国際セミナーが開催された。本セミナーには日韓の有力な学者・研究者らが一堂に会し、第2次トランプ政権で展開される対外政策と、その影響下における日韓の外交・安全保障政策の展望が議論された。

 第1セッションでは、釜慶大の金東洙教授が「トランプ2.0時代 新国際秩序と朝鮮半島」と題し、トランプ再登場がもたらす国際秩序の変容と、朝鮮半島を取り巻く地政学的環境の変化について発表した。金教授は、トランプ政権が自由主義国際秩序からの離脱を示唆し、覇権回帰・選択的主権尊重などの姿勢を強める中で、北朝鮮問題の優先順位が低下し、米韓同盟の再編圧力が高まることを指摘した。

 続いて、キヤノングローバル戦略研究所の伊藤弘太郎主任研究員が発表を行った。伊藤研究員は、韓国の防衛産業や北朝鮮対策における3軸戦略(キルチェーン、KAMD、KMPR)の実態を分析しつつ、日米韓の安保協力の重要性を強調した。米国による拡大抑止の実態や、日米首脳会談を通じた地域防衛体制の再構築について具体的なデータを交えながら説明した。

 第2セッションでは、国立外交院の尹錫貞研究員が、米中の「戦後国際秩序」認識をめぐる対立と日本の立場について詳しく解説した。尹氏は、中国がポツダム体制を国際秩序の根拠とし、台湾および沖縄の地位を問題化する一方、日本はサンフランシスコ体制を基盤に秩序の守護者としての役割を強化しているとし、こうした歴史的視点が現在の米中対立構図にも深く影響していることを指摘した。

 最後に発表した神戸大学の簑原俊洋教授は、日韓両国が急速に変化する国際環境にどう向き合うべきかについて論じた。簑原教授は、米中対立の激化に伴いサプライチェーンの分断が現実味を帯びる中、日韓が経済安全保障と伝統的安保を統合的に捉え、「戦略的デカップリング」への共同歩調を模索する必要性を訴えた。また、「キャンプ・デービッド精神の再確認」をキーワードに、日米韓台による安全保障連携の強化、ひいてはCHIP4を基盤とした「インナー・クアッド」の構築を提唱した。

 セミナー全体を通じて共通して語られたのは、「トランプ2.0」のもたらす不確実性に対処するためには、日韓両国が相互の不信を克服し、より制度的かつ戦略的な協力体制を築く必要があるという認識であった。とりわけ、拡大抑止や防衛産業協力、そして中国に対する対応方針において、日韓の歩調を合わせることの重要性が改めて確認された。

 討論およびセミナー後の歓迎晩餐会に至るまで、参加者同士の熱の籠った意見交換が行われ、日韓両国がともに厳しい国際環境を乗り越えていくための対話と協力の場として、本セミナーの意義は大きいものとなった。