■日時:2023.11.27(月) 18:30-20:30
■場所:東西大センタムキャンパス 17階 MICEホール
■タイトル: 11月月例会開催「統一教会問題で揺れた日本社会 2022-23年」
■プログラム概要:- 夕食会(18:30-19:00)
- 基調講演(19:10-20:20)
テーマ:「統一教会問題で揺れた日本社会 2022-23年」
対談者 : 櫻井義秀(北海道大学 大学院文学研究科 教授)
李元範(日帝強制動員被害者支援財団 副理事 / 東西大学 日本研究センター 前所長)
司 会:趙堈熙(釜山大学 日語日文学科 教授 / 前副総長)
■行事の写真:
■行事の要約:
日韓新時代フォーラム 11月月例会
「統一教会問題で揺れた日本社会 2022-23年」
11月27日(月)、韓日新時代フォーラム11月月例会が開催され、北海道大学大学院文学研究科の櫻井義秀教授と日帝強制動員被害者支援財団の李元範副理事(東西大日本研究センター前所長)による特別対談「統一教会問題で揺れた日本社会 2022-23年」が行われた。
対談は李元範副理事長の質問に、櫻井教授が答える形で進められた。
まず、韓国のメディアでも大きく取り上げられた、2022年7月の参議院選挙応援演説中に起きた安倍元総理狙撃事件とその影響について、李副理事長が質問した。櫻井教授は、岸田内閣の支持率が7月の52%から8月には36%へと大きく下落したこと、9月の安倍元首相の国葬はG7首脳の不参加や国論の二分を引き起こしたことなどを挙げ、同事件が日本政治に深刻な影響を与えたと語った。
次に、マスメディアでの報道について聞かれた櫻井教授は、日本のマスメディアは事件発生後、旧統一教会の表層的な報道に集中したことを指摘した。それに対し、櫻井教授は国内外のメディアから多くのインタビューを受け、この事件の深層にある統一教会・宗教と政治の関係に焦点を当てて語ってきたと述べた。
櫻井教授は、統一教会と政治家の関係は戦後の日本政治と宗教団体の関わりに起因しているとし、これには選挙協力や自民党との関係が含まれると説明した。安倍元総理の事件は、政治と宗教の癒着がもたらす問題点を浮き彫りにしたとし、創価学会を例に挙げながら、政治と宗教の健全な関係の重要性について語った。
櫻井教授の著書『統一教会:性・カネ・恨から実像に迫る』(2023年3月発刊)に話題が移り、櫻井教授は、性的問題、金銭問題、そして「恨」という韓国人の感情が統一教会を理解する上で重要であると指摘した。また、日本では、宗教二世の問題、霊感商法による経済的被害も深刻な社会問題となっていることを説明した。
最後に、日本の文部科学省が統一教会に対する解散命令を請求した件について、日本国民の80%以上が賛成しているものの、一部専門家からは信仰の自由を侵害する恐れがあると懸念の声が挙がっているとし、櫻井教授はこの問題を宗教団体の規制の観点から分析しながら説明した。
講演後の質疑応答では、日韓における旧統一教会に対する認識の違い、日本のメディアと海外メディアの報道姿勢の違いなど、多岐にわたって活発な議論が行われた。