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日韓新時代フォーラム2024年10月月例会

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관리자 2025-01-10 10:25

日韓新時代フォラム 202410月月例

日 時:2024.10.28(月) 18:30-20:30

場 所:東西大学センタムキャンパス 4階 W408 ブックカフェラウンジ

プログラム:18:30-19:00 夕食懇談会

                               19:10-20:30 招請講演

・講演者: 藤井通彦 元西日本新聞論説委員長

・テーマ: 日韓関係における「希望」とは-インバウンド交流都市・福岡からの視点-

・司会者: 趙堈熙(チョ・ガンヒ) 釜山大学日語日文学科教授/元副総長

・指定討論: 金珍基(キム・ジンギ) 釜慶大学日語日文学科教授

行事写真

■行事の要約:


日韓新時代フォーラム10月月例会

藤井通彦 (元西日本新聞論説委員長)
 日韓関係における「希望」とは-インバウンド交流都市・福岡からの視点-

10月28日(月)、韓日新時代フォーラム10月月例会が開催され、藤井通彦元西日本新聞論説委員長による招請講演「日韓関係における『希望』とは-インバウンド交流都市・福岡からの視点-」が行われた。

冒頭、藤井氏は福岡と韓国、とりわけ釜山との地理的な近さに注目しつつ、福岡における韓国との交流現況について紹介した。飛行機なら約1時間、高速船でも3時間ほどで福岡から韓国に到着できるというアクセスの良さから、現在福岡を訪れる外国人観光客の中で、韓国からの旅行者が最も多いという。2020年以降のコロナ禍によって一時中断されていた航空路線や船便も2023年には再開され、博多港や福岡空港では再び韓国人観光客の姿が目立つようになっていると述べた。

そして、古代にまで遡って、福岡と韓国との交流の歴史について紹介した。弥生時代、日本に青銅器や鉄器などの技術をもたらしたのは朝鮮半島からの渡来人であり、その文化的影響は特に福岡のような北部九州地域に色濃く残っていると述べた。福岡県内には多くの弥生時代の遺跡が存在し、韓国との古代交流を示す出土品も多数見つかっているとし、写真を提示しながら説明した。

藤井氏は、このような歴史的背景は、現代の福岡の文化や生活にも表れているとし、

特にK-POPや韓国ドラマのファンの多い若い世代では韓国語を学ぶ人が増えており、街中では韓国語の看板やメニュー表示を目にすることも珍しくない現状を紹介した。

また、福岡市と釜山市は1987年から姉妹都市として公式に交流を続けているとし、自治体間の交流はもちろん、定期的に実施されている青少年交流、芸術文化イベント、経済セミナーなどを紹介しながら、日韓関係における「草の根交流」の一つの成功例だと強調した。

最後に、ソウルのロッテ百貨店の立ち上げに尽力し、日韓のビジネス交流の先駆けとなった福岡出身の秋山英一氏へのインタビューを基に藤井氏が著した『韓国流通を変えた男: 秋山英一聞書 ロッテ百貨店創成記』について触れた。「実行力がある韓国人と、細部にこだわる面のある日本人とはビジネス上のベストパートナーになれる」という秋山氏の口癖を紹介し、国家間の政治的な対立や歴史認識の違いに左右されすぎず、目の前にいる相手とどう向き合うかが、未来の関係をつくる鍵になると述べ、講演を終えた。

今回の講演は、福岡という具体的な地域を出発点に、

日韓関係の過去と現在、そして未来への可能性を多角的に捉え直す貴重な機会となった。地理、歴史、文化、経済など多面的なつながりを知ることで、参加者は「近くて遠い」とも言われる両国の関係を、より身近で実感を持って理解することができたようだ。

質疑応答では、「民間交流の活性化とオーバーツーリズムの問題」や「既成世代といわゆるMZ世代での日韓交流の違い」などについて、活発な議論が行われた。