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日韓新時代フォーラム2025年2月月例会

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관리자 2025-04-17 15:06

日韓新時代フォラム 2025年2月月例
特別企画:船上セミナー

日時:2025.2.20.(木) 15:30-17:30

場所:パンスタークルーズ 船内ホール

プログラム:15:30-17:30 招請講演

          18:00-20:00 夕食会

          ・講演者: 鄭起永(釜山外大 日本語創意融合学部 教授/前総長)

          ・テーマ:「アジア共同体と日韓人材交流-韓国の大学生はなぜ日本に就職するのか-」

          ・司会者:趙堈熙(釜山大 日語日文学科 教授/元副総長)

          ・指定討論:金銀英(釜山日報 論説委員)

行事写真

日韓新時代フォーラム2月月例会 

特別企画:船上セミナー

鄭起永(釜山外大 日本語創意融合学部 教授/前総長)

「アジア共同体と日韓人材交流-韓国の大学生はなぜ日本で就職するのか-」

 2025年2月20日(木)、2月月例会は特別企画として釜山港から大阪港に向かうパンスタークルーズでの船上セミナーの形で開催された。パンスターグループの金泫謙会長が当フォーラムのメンバーであることもあって、今回の船上セミナーが実現した。

セミナーでは鄭起永釜山外大教授が「アジア共同体と日韓人材交流-韓国の大学生はなぜ日本で就職するのか」というテーマで講演を行った。

 鄭起永教授はまず、日韓両国の就職状況のデータを紹介した。2024年時点で日本の大学生の就職率は98.1%に達し、ほぼ完全雇用の状態にある一方で、韓国の大学生の就職率は66.3%にとどまっている。特に日本では少子高齢化により労働力人口が急減しており、IT、貿易、観光、介護などの幅広い分野で外国人人材への需要が増加しているという。

 これに対し、大学進学率の高い韓国の若者(韓国:79%、日本:55%)は公務員や大企業志向が強く、希望と現実の間に大きなミスマッチが生じていると鄭教授は述べた。若者の62%が安定的な職場を望んでいるにもかかわらず、そのような職場が占める採用の割合は15%に過ぎないため、このような状況の中で多くの若者が海外就職に目を向けるようになっているというのである。

 そして、韓国政府も海外就職を積極的に支援しており、「K-Move」や「青海進(青年海外進出)プログラム」などの事業を通じて、若者が海外で安定して定着できるよう後押ししているという。2023年には日本がアメリカに次いで、韓国人大学生の就職先として2位となっており、特に日本語学習者が世界第3位という点でも、韓国は日本企業にとって魅力的な人材供給源となっていると語った。

 鄭教授は、日本企業の採用文化にも言及し、韓国のような「スペック」重視とは異なり、人柄や将来性を重視する面接文化、外国語能力への評価、積極性を持つ外国人材への寛容さは、韓国の若者にとってチャンスだと述べた。

 しかし、日本就職にも課題はあるとし、賃金水準の低さや職種の多様性の不足、長期的なキャリア設計の難しさなどが、依然として韓国の若者が感じる障壁となっているという。これを克服するために、鄭教授は「短期インターンと本就職をつなぐ仕組みの整備、首都圏中心の就職から日本全国へとネットワークを拡大する必要がある」と提言した。特に、政府、大学、信頼性の高い仲介機関の三者が連携した好循環システムの構築が急務だと強調した。

 講演の最後には、日韓間の人材交流を超えてアジア共同体の形成が必要であると力説した。「もはやナショナリズムに閉じこもる国民ではなく、世界市民としての市民性、相互理解と共存の価値を教育し、実践すべき時代だ」とし、「若者の海外就職は単なる職の移動ではなく、アジアそして人類共同体に向かう未来に向けた実践である」と語った。

 講演の後には、日本をはじめとする海外で就職した若者たちのその後について、議論がなされた。海外で長期間定住できる若者がどの程度いるのか、あるいは、数年後に帰国した場合、海外経験のある若者を評価し、受入れる体制が韓国企業にあるのかといった点について、様々な意見が交わされた。